背景
会社と自分個人、あわせると納税・支払・契約更新のような定期イベントがけっこうある。毎月のもの、毎年のもの、2年ごとのもの。決算月から数えて期限が決まる税金もある。そして自分は、これを把握しきれていない。
リマインダーアプリに全部入れればいい話に見えるが、やってみると足りない。「2年ごと」は基準の年がわからないと次がいつか決まらない。国税の期限は土日祝だと翌営業日にずれる。ついでに固定費やお金の流れも見えるようにしたい。それで専用の仕組み「めぐる」を作ることにした。
ルールと予定を分けて持つ
作りはSQLite+FastAPIで、自分のMacの中だけで動くローカルアプリ。つまりどこにも公開されていなくて、お金の情報を外に置かずに済む。
中身は2層になっている。「毎年11月に法人税」のような繰り返しのルールと、「2026年11月30日のこの支払い」のような実際の予定を分けて持ち、ルールから先々の予定を約18ヶ月ぶん自動で作る。2年ごとの車検のような長い周期は、18ヶ月の外でも次の1回だけ必ず作る。納税だけは、期日が土日祝なら翌営業日に自動でずらす。
通知はSlackに来る。何日か前→3日前→前日、期限を過ぎたら毎日、と段階的にしつこくなる。画面を見に行かなくても向こうから知らせてくる、という狙いだった。
金額は隠せるようにした
金額は人に見せたくない情報なので、マスク機能を付けた。ONにするとサーバーが金額そのものを返さなくなり、チャートも目盛りなしの相対表示になる。画面を確認していたら備考欄に金額が残っているのを見つけて、そこも塞いだ。この記事に金額が出てこないのも同じ理由だ。
動かしてみた
39件のルールを登録したら、159件の予定に展開された。月別のチャートには、11月に納税が集まる山がくっきり出た。頭ではわかっていたことも、絵になると受け止め方が変わる。
一方で「車検の満了月がわからない」といった空欄も6件見つかった。仕組みを作ると、自分が何を知らないかが先に見えてくる。空欄の多くは会計ソフトの実績データをAIに読んでもらって埋めたのだが、その話は長くなるので別の記事に書いた。
使ってみて直したところ
使い始めると細かい混乱が出てきた。見積の金額は薄い字、収入は緑、実績にはチェック、と表示の決まりがばらばらで、どれが何を意味するのか自分でもわからなくなった。そこで「色は収入か支出か、記号は確定か見積か」とひとつずつに整理したら、すっと読めるようになった。ひとつの見た目にひとつの意味。これは他の画面づくりにも効きそうな決まりだと思う。
それでも、多すぎた
ここまで直しても、できあがったダッシュボードは自分には情報が多すぎた。目的は「忘れないこと」だったのに、できたのは「全部を把握するための台帳」。網羅すればするほど、開くのがおっくうになる。
次にやるのは機能を足すことではなく、削ること。ふだんの画面は「今月やること」の5〜10件だけに絞って、金額の集計は見たいときだけ開く場所に下げる。いっそ画面を見に行く運用をやめて、通知だけで回す案もある。まだ途中だが、方向は決まった。
感想
納税みたいな定期イベントを把握しきれていない自分のために作ったのに、情報量が多すぎて自分が理解できないものができあがった。どうやったらわかりやすくなるのか。お金まわりはもともと興味のない領域なのであまり食指がのびないが、未来の自分を助けるために何か手は打ちたいところだ。